2008年11月

家づくりに向いている構造は?

昨日のブログで、鉄筋コンクート造は、コールドドラフトを起こし易いと描きました。

それでは、一戸建て住宅の構造に一番向いているのは、一体なんでしょうか。

結論からいうと、私は木造だと思っています。

その最大の理由は、鉄骨造や鉄筋コンクリートの場合、熱橋(ヒートブリッジ)現象が起こりやすいからです。

下の図は、鉄筋コンクリート造・鉄骨増・木造の熱橋の状況を表しています。


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上は、材料別の熱の伝わり安さを表している熱伝導率のグラフです。

これからも、鉄骨造が遥かに熱が伝わり易く、ヒートブリッジ現象が起こり易いことが解ります。

最近、ダ○ワハウスさんが、外張り断熱の鉄骨住宅を販売していますが、鉄骨住宅は、外貼り断熱をするのが当然で、やらない場合は、必ずと言っていい程、内部結露しいてるはずです。

なにも、偉そうに、テレビで宣伝することではありません。

むしろ、今までいい加減な施工をしてきた事を、宣伝しているように、私には、思えます。


鉄筋コンクリート造でも、断熱材を使用していない場合(コンクリート打ちっぱなし等)や、内断熱の場合も、やはり、ヒートブリッジ現象になり、壁の表面や床などが結露し易くなります。

そして、渡辺篤史邸のように、コールドドラフト現象が現れます。

このようなことからも、一戸建ての住宅の構造には、熱伝導率の低い木造が一番ふさわしいと思います。




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 上のグラフは、平成15年の住宅の構造の割合を示しています。

グラフの一番上の棒グラフからも分かるよう一戸建て住宅は

木造               94.3%

鉄骨造               2.5%

鉄骨・鉄筋コンクリート造    3.0%

その他              0.2%


このように、現状は、圧倒的に木造住宅が多いようです。

誰も、ヒートブリッジ現象のことを考えて木造住宅にしている訳ではないと思いますが・・・

木造住宅を選んでいる理由は、日本人の好みと価格の要因が大きいと思いますが、住宅構造を鉄骨造・鉄筋コクンリート造で考えている方は、ヒートブリッジ現象の事は、十分考慮したほうが良いと思います。

by kakizaki

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失敗しました

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今から数年前ですが、あるグラスウール会社主催の講演会が東京でありました。

講演者は、室蘭工業大学の鎌田紀彦教授でした。

そして、特別講演として、俳優の渡辺篤史氏がでてくれました。

皆さんご存知のように、渡辺篤史氏はもう20年以上に渡り、テレビの『建物もの探訪』という番組の案内役として、活躍しています。


多くの住宅を彼なりの視点でみていますので、さぞかし面白いお話が聞けるだろうと思って、わざわざ東京まで、出かけることにしました。

その講演会が始まって直ぐ、渡辺篤史氏がでてきました。

最初にどんなお話が聞けるかと思ってワクワクしていると、いきなり彼は、

『失敗しました』

と言い放ったのです。

何の事かと思いきや、渡辺篤史氏本人のご自宅のことでした。

兎に角、冬、家が寒いという言うのです。

多分彼の家は、あれだけの建物を見ているので、結構有名な建築家に設計してもらったのだろうと思います。(私の想像です)

そして、家の構造は、RC(鉄筋コンクリート)だそうです。

特に北側が寒い。

これは、明らかにコールドドラフトです。

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上の図は、窓の部分で室内の空気が冷やされていますが、RCの壁は、熱が非常に伝わり安いので、これと同じような現象になります。

即ち、壁で冷やされた室内の空気が、足元をスースー走るのです。

このコールドドラフトは、経験すると分かるのですか、非常に不快です。

室内全体の室温は、20度前後あっても、寒くて寒くて、仕様がありません。

この問題を解決するには、建物全体を断熱材ですっぽり覆うことが必要です。(外断熱)

しかし、渡辺氏によると、東京は土地が狭いので、隣地境界線ギリギリまで、建てているので、建物の外に断熱材を付加する空間がないそうです。

結局何も出来なく、不快な住居になって、『失敗しました』という、結論になったのです。

私は、彼の住宅は見たことがありませんが、多分、かっこよく、色々工夫があり、オリジナリティに溢れた住宅だと思います。

しかし、施主に失敗しましたと言わしめるものはなんでしょうか。

住宅は、デザインは、非常に大切です。

しかし、それと同じくらい、性能も大切です。(この場合は断熱性能)

有名建築家は、この断熱性能に無頓着な人が多いように思います。

いくら、かっこよくても、最終的に、施主に失敗したと言わせることは、その住宅は、失敗だったということに他ならないと思います。

時々、番組の中でのインタビューで

『何か不満がありますか』の問いに

『ちょっと寒い』

番組の手前、ちょっと寒いと表現していますが、テレビで言うくらいですから相当寒いんだろうなあ と、私は解釈しています。

あれだけ住宅を勉強している渡辺篤史氏でさえ、家づくりに失敗しているのです。

施主が、本当に満足する家づくりは何かを常に私達は、勉強していかなければならないと思っています。

最後に、次住宅を建てる時は、『私に相談にきなさい』と

鎌田先生からアドバイスを受けていました。

住宅は、建ててからでは、何ともしようがないのです。

by kakizaki

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断熱・耐震改修02

現場に追われてブログ更新遅れてましたが、再開します!
改修工事も天気と戦いながら、なんとか順調に進んでおります。

一言で断熱・耐震改修と言ってもピンと来ない方もいらっしゃると思うので、
断熱工事と耐震工事に分けて説明していきたいと思います。

耐震について①

自宅を新築した15年前は、1981年に施行された建築基準法(新耐震)に
沿った家づくりが行われていました。
その当時は、羽子板ボルトで柱と梁をつなぎ、筋交い・金属プレートで
補強したものが主流でした。

その頃は乾燥した材料を使う事は少なく、ボルトはすべて緩んでいます。

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かなり回ります・・・

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この機会に、すべて締め直しました。ちょっと安心・・・

by mori

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燃料電池ついに来春発売

  来年4月から、ついに燃料電池が市販されます。

 メーカーによると、販売価格も何も決まっていないとのこと。

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燃料電池は、上の図のように、各家庭で、水素から電気を起こして、その時にでる熱を給湯に利用する仕組みです。

即ち、各家庭に給湯ボイラー併用の発電機があるようなものです。

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新日本石油(ENEOS)さんによると、最大30パーセントのCO2削減する計算になるようです。

私は、原理が電気分解の逆なので、廃棄されるものは、水だけだと思っていましたので、CO2をもっと削減できると考えていましたが、実は水素そのものを作る段階で、CO2が発生する のだそうです。

だから、実際のCO2削減は30パーセント程度に留まってしまいます。

しかし、従来通りの生活をして、尚且つCO2を30パーセントも削減できるということは、今までは、とても考えられないことですので非常に大きな前進です。

私は、この燃料電池が環境問題に大きな役割をしていくと思っています。


各家庭に普及できるような価格に各メーカーとも是非努力してもらいたいと思います。

実際いくらになるのでしょうか。多分、まだまだ高いのでは・・・


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新日本石油資料提供



上のグラフは、実際の運転の状況を想定したものです。

このグラフからも分るように、

電気は、足りないときは、今まで通り、電力会社の電気を使います。

給湯も、足りない場合は、補助ボイラーで、ガスまたは、灯油を燃焼させます。

電気を使う量によってお湯を作るので、ある程度家族数が多くないと、余り効果がないようです。その辺のシュミレーションもメーカーには、やっていただきたいと思います。

このように、水素社会が間違いなく近づいています。

by kakizaki

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この家オール電化ですか?

 完成内覧会に初めてきたお客様は、だいだい

『この家オール電化ですか?』と尋ねていきます。

『いいえ、違いますよ。』と返答すると、ちょっとガッカリしたような表情をされます。

お客様の気持の中には、『今時、オール電化住宅でなきゃダメだ』という思いがあるのだろうと、思います。

そして、『なーんだ、オール電化もできないのか』と、解釈されるのだと思います。

オール電化住宅をつくるのは、はっきり言って簡単です。

しかし、CO2排出量の少ない住宅を造るのは結構難しい のです。

技術的なこともそうですが、建物価格がどうしても上がってしまいますので、理解を得るのが大変です。

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新住協提供


上のグラフは、オール電化住宅の説明をする際に、時々登場してもらうグラフです。

オール電化住宅(電気温水ホイラー・蓄熱暖房機使用)の場合は、灯油の設備を使った場合より、年間のCO2を多く出しているのです。

多くの方は、この事実を知りません。

テレビでは、オール電化住宅は、省エネルギーのような印象を受けるコマーシャルを流してしますが、今の現状の技術のオール電化住宅が増えれば増えるほど、CO2を多く出す住宅が増えているのです。

電気代が安くなるので、そんなことはないだろうと思うしょうが、深夜電力を意図的に安くしているだけで、消費エネルギーは、増えているのが実態です。

どこの住宅会社も、前住んでいた住宅の光熱費の比較表は、出すのですが、CO2計算したものは、一度も見たことがありません。

CO2が減っているオール電化住宅があったら、是非教えてください。

あるとするならば、相当の設備をかけているはずです。

例  太陽光発電
   地中熱ヒートポンプ
   燃料電池
   など

国の政策もあるので、さすがに電力会社も、これではいかんと思い、給湯ボイラーは、ヒートポンプ式のエコキュートを出しています。

が、年間効率が、カタログ通りの出ているかは、はなはだ疑問です。

こんなことを書くと、私は、反オール電化主義者のように思われますが、実は、いつかはオール電化になるだろうと思っています。

しかし、現在一般的に採用されている設備ではなく、確実にCO2を少なくする設備を使っての話です。

技術が進んで、だんだん現実味を帯びてきています。

その最先端技術の一つが燃料電池だと思います。

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上のグラフでもわかるように、CO2排出量が約45パーセントも削減できるようです。

早く、こんな設備を使った住宅を造ってみたいものです。


by kakizaki
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