新潟県沖地震の報道を毎日みていますが、私は、どうしても倒壊した建築物に目がいってしまいます。

 倒壊した建物を載せて不謹慎だと思われるかもしれませんが、しかし私は、こういう建物を見て、私たち建築に携わるものが今後防災について、何を勉強し何をしていかなければならないかを学ばなければならないと思います。

 むしろ、これらの建物が何故倒壊したのか、理解しないで、建築をすることのほうが問題があると思います。

 一番最初の写真は、被災建物応急危険判定士の方が、危険の張り紙をしているところです。

 実は、私も山形県の判定士の登録をしていました。(実は、更新をするのを忘れてしまい現在は、なっていません。再度申し込みをしよう思います)

 自分が、被災現場でこういう仕事をすることも踏まえて、建物を見ていく必要性があると思い、あえて、写真を載せることにしました。




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 この写真では、土壁とセメント瓦が見えます。恐らく戦前に建てられた古い建物であることが予測されます。






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 二棟倒壊し、奥の建物は、比較的新しい外観に見えます。しかしよく見ますと、道路側に土壁らしいものが見えます。多分、構造体をそのままにして、外壁は、既存のものにパッとサイデリアのような外壁を貼り瓦屋根の葺き替えをしたのではないかと予測されます。

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 この建物は、外観からいって多分何かの店舗併用住宅だったと思います。店舗は、通常道路面を全開口にしますので構造的には、非常にバランスの悪い建物が多いのです。屋根には重い瓦もあがっています。


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 これは、地震のたびに問題になるブロック塀です。
 補強するための鉄筋が全然入ってないのが分かります。こうなると、家族だけなく一般の通行人の方々も被害を被る可能性があります。


 震災の木造住宅の倒壊の主な原因は、

  ①壁の量が少ない
  ②強い壁の柱のほぞ抜けが起きる
  ③壁の配置バランスが悪い
  ④土台・柱に腐朽や白蟻被害が見られ構造体が弱くなっている
  ⑤瓦葺き屋根で重量が重い

 以上のような事がかんがえられます。

 1981年の建築基準法改正前(旧耐震基準)の建物は上記の項目に当たるものが多く見られます。

 街を歩いていて、あの家は、大地震がきたら間違いなく倒壊するだろうなと思う建物は結構あります。これは、多分私だけでなく多くの建築士の方々も思っている事だと思います。

 今月6日に耐震診断の講習会を受けてきたばかりですが、出るだけ多くの方が耐震診断を受けて頂きたいと思います。

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