高断熱住宅

高断熱住宅の目的はなに?

 私は、高断熱住宅は、選択肢の一つという捕らえ方はしていません。

私は、特に新築住宅は、全棟高断熱住宅にするべきだと思っています。

何故ならば、高断熱住宅にすると、家の寿命が延びる という大きな利点があるからです。

というよりも、家が腐りにくくなると言った方が正解かも知れません。



よく言われる高断熱住宅の目的は

①省エネルギー性

②快適性

ですが、実は、さき程言った

耐久性

が加わります。

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上の図は、従来型の住宅の一般的な構造です。

床下から、冷たい空気が壁の中を昇り、室内の水蒸気を含んだ暖かい空気とぶつかり、壁の中で結露が生じます。

これが、壁体内結露の大きな要因です。


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写真のような住宅を造らないためには、壁の中を空気が動かないように、気流止めをきちんと施工し、断熱材を充填するのが一番よいのです。

高断熱高気密住宅という言葉から受ける印象だけで、その家が良いか悪いかを決めつけてはいけないのです。

中には、 「壁の中を空気が動くから、乾燥して一番いいんだ」なんていう人もいます。

それは、まったく誤った考えです。

暖房や冷房をしない神社仏閣のような建物であれば、その考えはあり得ます。

しかし、人間が住む一般住宅では、非常に危険な考えです。

あなたの近くにも、平気でそんな事を言っている建築のプロがいるのでは・・・

by kakizaki

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高断熱住宅は息苦しいからイヤ!

 『先日あるお客様から、高気密高断熱住宅は、息苦しそうでイヤです。

ファンヒーターが使えないような住宅は、住みにくい。』

と言われてしまいました。

こんな感覚のお客様がまだまだ多いのかも知れません。

しかし、これは、大きな勘違いです。

言葉で受ける印象で息苦しいという表現をしていますが、決して、そんな事はありません。

現在建築されているマンションは、超高気密住宅です。

そして、平気でファンヒーターを使っている人もいます。

鉄筋コンクリートは高気密住宅であるにも関わらず、息苦しいと表現する人はいなく木造住宅が高気密住宅なったとたん、息苦しい と表現するのは、非常にですよね。

今は、建築基準法で、住空間の気積を二時間に一回以上換気するように義務付けられていますので、マンションだろうが、木造住宅だろうが、換気についての問題はありません。


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むしろ、従来型の住宅で換気計画もなく、家の中でファンヒーターをつけているほうがよっぽど危険だと思います。

最近のファンヒーターは、ある一定の時間になったり、空気が汚れるとお知らせしたり、自動的に、消えるものがあります。

これも、非常に矛盾を感じます。

せっかく暖めた部屋の空気を換気して、また、部屋を冷たくしなさいよと言っているのです。

即ち、住宅の暖房にファンヒーターを使うことじしん私は、問題だと思います。

私は、従来型の住宅であっても、FFストーブに変更してほしいと思っています。

暖房に、ファンヒーターを使えないから高気密高断熱住宅はダメと言われるのはちょっといかがなものかなあー・・・


by kakizaki

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失敗しました

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今から数年前ですが、あるグラスウール会社主催の講演会が東京でありました。

講演者は、室蘭工業大学の鎌田紀彦教授でした。

そして、特別講演として、俳優の渡辺篤史氏がでてくれました。

皆さんご存知のように、渡辺篤史氏はもう20年以上に渡り、テレビの『建物もの探訪』という番組の案内役として、活躍しています。


多くの住宅を彼なりの視点でみていますので、さぞかし面白いお話が聞けるだろうと思って、わざわざ東京まで、出かけることにしました。

その講演会が始まって直ぐ、渡辺篤史氏がでてきました。

最初にどんなお話が聞けるかと思ってワクワクしていると、いきなり彼は、

『失敗しました』

と言い放ったのです。

何の事かと思いきや、渡辺篤史氏本人のご自宅のことでした。

兎に角、冬、家が寒いという言うのです。

多分彼の家は、あれだけの建物を見ているので、結構有名な建築家に設計してもらったのだろうと思います。(私の想像です)

そして、家の構造は、RC(鉄筋コンクリート)だそうです。

特に北側が寒い。

これは、明らかにコールドドラフトです。

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上の図は、窓の部分で室内の空気が冷やされていますが、RCの壁は、熱が非常に伝わり安いので、これと同じような現象になります。

即ち、壁で冷やされた室内の空気が、足元をスースー走るのです。

このコールドドラフトは、経験すると分かるのですか、非常に不快です。

室内全体の室温は、20度前後あっても、寒くて寒くて、仕様がありません。

この問題を解決するには、建物全体を断熱材ですっぽり覆うことが必要です。(外断熱)

しかし、渡辺氏によると、東京は土地が狭いので、隣地境界線ギリギリまで、建てているので、建物の外に断熱材を付加する空間がないそうです。

結局何も出来なく、不快な住居になって、『失敗しました』という、結論になったのです。

私は、彼の住宅は見たことがありませんが、多分、かっこよく、色々工夫があり、オリジナリティに溢れた住宅だと思います。

しかし、施主に失敗しましたと言わしめるものはなんでしょうか。

住宅は、デザインは、非常に大切です。

しかし、それと同じくらい、性能も大切です。(この場合は断熱性能)

有名建築家は、この断熱性能に無頓着な人が多いように思います。

いくら、かっこよくても、最終的に、施主に失敗したと言わせることは、その住宅は、失敗だったということに他ならないと思います。

時々、番組の中でのインタビューで

『何か不満がありますか』の問いに

『ちょっと寒い』

番組の手前、ちょっと寒いと表現していますが、テレビで言うくらいですから相当寒いんだろうなあ と、私は解釈しています。

あれだけ住宅を勉強している渡辺篤史氏でさえ、家づくりに失敗しているのです。

施主が、本当に満足する家づくりは何かを常に私達は、勉強していかなければならないと思っています。

最後に、次住宅を建てる時は、『私に相談にきなさい』と

鎌田先生からアドバイスを受けていました。

住宅は、建ててからでは、何ともしようがないのです。

by kakizaki

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次世代省エネルギー基準の矛盾

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     新住協提供



次世代省エネルギー基準という言葉は、聞いたことは、あるでしょうか。

住宅の断熱・気密の性能を各地域ごとに、国が推奨する基準を決めたことをいいます。(平成11年制定)

その基準は、Q値(熱損失係数 w/㎡k)で表します。

Ⅰ地域 Q=1.6
Ⅱ地域 Q-1.9
Ⅲ地域 Q=2.4
Ⅳ地域 Q=2.7
Ⅴ地域 Q=2.7
Ⅵ地域 Q=3.7


Ⅰ地域 北海道
Ⅱ地域 青森 岩手 秋田
Ⅲ地域 宮城 山形 福島 栃木 新潟 長野
Ⅳ地域 茨城~熊本
Ⅴ地域 宮崎 鹿児島
Ⅵ地域 沖縄

上の表は、約40坪の住宅の年間の消費灯油量を国の次世代省エネルギー基準でやった場合と、北海道のレベルのQ=1.6でやった時の比較表です。

ここ山形の場合を検討すると、

次世代省エネルギーQ=2.4は、一軒屋の年間灯油消費量は約1400リットル

北海道レベルQ=1.6は、約850リットル

Q値を0.8良くすることよって、年間で灯油約550リットルも少なくて済むことがわかります。

山形で次世代省エネルギーQ=2.4の住宅は、北海道Q=1.6の帯広や札幌の住宅(年間灯油消費量約1180リットル)よりも、灯油を多く消費することが分かります。

国の基準でやると、山形より寒い地域の住宅よりも、燃料を多く消費するという、本当に省エネルギーの基準なのかなと、頭を傾げたくなる状況になってしまいます。

新住協の研究では、

次世代省エネルギーの住宅の約半分ぐらいが、現在の一般住宅が年間に消費するエネルギーにほぼ等しいことが、分かっています。

ということは、国の基準の次世代省エネルギーの住宅は、今まで住んでいたスカスカの住宅の約倍の燃料を消費する住宅であるということです。

確かに、家全体を暖めますの快適ではありますが、エネルギーのかかる住宅だということです。

名前は、次世代省エネルギー住宅とは言いますが、実際は、エネルギーをいっぱい消費する住宅です。

国は、何でこんないい加減な基準を作ったものでしょうかね。


であれば、次世代省エネルギー基準の半分の消費エネルギーの住宅をつくれば、いままで、スカスカの住宅で消費してきたエネルギーと同等の量で、家全体を暖めることができることがわかります。

(ただし、スカスカの住宅は、居間など住宅の一部分のみの暖房で、トイレや台所は非常に寒く、温度差のある住宅です。)

このように、従来の灯油の消費量を変えないで、家全体を暖房できるようにしたのが、新住協で、提案しいてるQ=1(キュウワン)住宅です。

Q=1住宅は、Q値を1にするのではなく、次世代省エネルギー基準の半分の消費エネルギーの住宅をいいます。

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実は、このQ=1住宅を特集にした雑誌がもう既に発刊されています。

リプラン東北版臨時増刊号で、弊社も掲載しています。

来年の春に第二段が発行になる予定です。

これにも、弊社は、掲載する予定です。

次世代省エネルギー基準は、増エネルギー基準であるという矛盾を知っておいてください。


by kakizaki

換気のやり方を工夫して省エネ

弊社で建てて頂いた客様に次のような説明書を渡しています。



灯油の消費量を少しでも抑えましょう

換気編


近年、石油価格が高騰しています。

その対策として、いくらかでも灯油の消費量を抑えるために換気をひと工夫してはいかがでしょうか。

換気は、冷暖房した 空気(熱エネルギー)を捨てている ことになります。

即ち、換気量をいかに抑えるかが、省エネルギーのポイントになります。

しかし、換気を余り長時間停止することはお薦めできませんがやり方によっては、消費量を少なくすることができます。

換気の必要性

①新鮮空気の導入

(建築基準法では、室内の空気を二時間で一回換気するようにきめられていますが、現実的には過換気になっている場合が多いようです。) 

②湿気の排出
(主な湿気の原因は、人・室内物干し・調理によるもの・水槽・植物などです)

③匂いの排出


換気のデメリット

①暖房した暖かい空気を捨てているので、経済的に無駄が多い



換気を抑える方法

①通常運転を弱にする

②外出時は、換気を止める(24時間換気システムの方で停止できない場合は弱運転)

③就寝中は、弱運転にする

④冬季間の給気口の新鮮空気量を制御する(半開ぐらいが、適当かと思います)



予想される状況

窓に結露が生じる

匂い が生じる




※予想される状況になった時は、事態か改善するまで通常運転に戻して下さい。

※浴室は、今まで通り使用後明朝まで換気して下さい。(カビ対策)

※換気扇・給気口のフィルターなどの掃除は、こまめにお願いいたします。
(最低三ヶ月に一回は、点検・掃除をしてください。)



実は、上記の文章が、建築基準法違反になるではないかと思い、ブログに載せませんでした。

しかし、国交省の見解では、室内を二時間で一回以上換気できる設備があれば問題ないそうです。

どのように換気するかは、お施主様の選択だということですので、省エネルギー対策として、掲載しました。

参考にしてください。

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