断熱材

セルロースファイバーが燃えた

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断熱材の一種にセルロースファイバーがあります。

セルロースファイバーの説明をみると、



【セルローズファイバーとは、天然の木質繊維のことです。

天然繊維であるセルローズファイバーは、無機繊維より優れているところがたくさんあります。

その一つに自然が作った小さな空気の粒にあります。

太さが均一で、硬い針のような無機繊維に比べてセルローズファイバーは、様々な繊維が絡み合っています。


この繊維の絡み合いが空気の層をつくることはもちろん、1本1本の繊維の中にも自然の空気胞が存在しているのです。

この空気胞の存在がより一層熱や音を伝えにくくします。

さらに木質繊維特有の吸放湿性で、適度な湿度を保ちます。

自然の恵みが私たちに快適な暮らしをもたらしてくれる。

まさに天然の力です。 】

また、セルロースファイバーは燃えにくいとも説明しています。

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【セルローズファイバーは、ホウ素系の薬品によって防燃処理された国土交通大臣認定の準不燃材料です。

1,000℃の炎にも表面 が焦げるだけです。万が一火災が発生しても、延焼を防ぎ、そのうえ有毒ガスも発生しません。】

しかし、もう5~6年前の出来事ですが、弊社の取引業者の方が、天井裏にセルロースファイバーを吹き付けしているとき、裸電球をセルロースファイバーの上に置いていたら、突然焦げだしたそうです。

セルロースファイバーは、元々は古新聞などの紙です。

それを薬品処理して、燃えにくくしているとの説明ですが、電球の熱で熱せられ、火がついたのではないかと推測されます。

幸い大事には、至らなかったそうですが、セルロースファイバーは黒く焦げ、赤くなったそうです。




by kakizaki

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断熱材は不燃材に限ります

 ウレタンや発泡スチロール系断熱材は、燃えやすく出来ています。


実際に燃やす実験をすると

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ウレタンや発泡スチロール系断熱材 火があれば激しく燃える



事実2005年5月19日に秋田市内で同じような類の断熱材を使用した住宅が火災になり住宅が全焼し、四人が死亡するという事故がありました。

下の写真でも分るように非常に火の勢いが強いのが分ります。また、燃焼時に有害物質を出すものも少なくありません。


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資料提供  NPO法人新木造住宅技術研究協議会




断熱材には、不燃材のものがあります。(断熱材の種類については2007年6月20日のブログを参照下さい。)

それは、グラスウールとロックウールです。

出来ればこういう材質の断熱材を使用することをお薦めします。

実際に燃焼実験している写真が下です。

黒ずんではいますが、燃えることは、ありません。

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グラスウールで付加断熱をしている写真

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断熱材は、家全体を覆うものですので、一軒でかなりの量を使用します。

私は、少なくても、断熱材には、燃えにくいものを選択するべきだと思っています。それでなくても、木材は燃えやすい材料ですので気をつけなければなりません。

グラスウールは、価格がプラスチック系に較べて安いのも、魅力の一つです。




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グラスウールの悲劇

グラスウールの断熱材は下の写真のように壁内結露を起こしだめになると取り上げられることがよくあります。
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原因は、以下のようなことからです。

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上の図からもわかるように、壁の中を土台の部分から空気が、自由に上昇しています。
 この空気が室内からの暖かい空気と一緒になって、外側の冷たい空気に冷されて、壁の中で結露を起こしてしました。

 しかし、これは構造的なことが原因で、グラスウールだから結露したわけではありません。その当時は、断熱材といえばほとんどグラスウールしかなく、また、施工する側も、ただ壁に押し込めればいいやという安易な考えでした。

 結局、壁を開けると写真のようになっており、グラスウールを入れないで施工していた大工さんたちは、グラスウールのせいでこうなってしまったと、結論づけてしまいました。最近は、わかりませんが、7~8年ぐらい前までは、壁の中は、風が通った方が乾燥して、いいんだと言う大工さんは、まだいました。
 
 このようなことがあって、グラスウールが、悪者にされていってしまったのです。
 
 新在来木造構法では、下図のように改善しました。

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 ①気流止めを設け、壁の中を空気が動かないようにした。

 ②通気層を設け、壁の中の湿気を外部に出すようにした。

 ③防湿層を設け、壁の中に湿気がいかないようした。

 これらによって、グラスウールにカビが生えることは無くなり断熱材としての本来の働きをしてくれるようになりました。実際に大丈夫なのか、検証しています。

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  上の写真は、築8年目です
新住協資料より


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  上の写真は、築18年目です。

  新住協資料より
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  上の写真は、築8年目です。コンセントの周りで多少の気流が生じて黒ずんでいますが、グラスウールの性能には、まったく問題はありません。
  新住協資料より


  しかし、いまだにグラスウールが、誤解されいるのは、非常に残念です。

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どんな断熱材がいいの?

 住宅に使われる断熱材は、実に種類が多くなりました。

断熱材は、主に3種類ぐらいにわけられると思います。

  ①繊維系         グラスウール(不燃材)
                 ロックウール(不燃材)


  ②プラスチック系    ポリエチレンフォーム 
                 ポリスチレンフォーム
                 ウレタンフォーム
                 フェノールフォーム

  ③自然系         セルロースファイバー
                 コットン
                 ウール

  私たちは、主にグラスウールを使用しています。

   理由は、
  ①価格が、プラスチック系に比べると安価です。
     ただし性能は、プラスチック系より高くすることが可能です。

    何故?

   それは、断熱材の性能は、厚さに比例するからです。

    例  イ) 厚み100mm グラスウール16K(熱伝道率0.038W/mK)の性能

        熱抵抗=0.1/0.038=2.63(㎡K/W)

        ロ) 厚み50mm  発泡ウレタン(熱伝道率0.023W/mK)の性能

         熱抵抗=0.05/0.023=2.1(㎡K/W)

確かに部材そのものは、発泡ウレタンのほうが、熱伝道率が、低いので、性能は、よいのですが、壁全体の断熱性は、厚みのあるグラスウールのほうが、熱抵抗が高いので、性能が良い場合が多いのです。

  それじゃ、発泡ウレタンのほうの厚みを100mmの倍にすれば良いと思うかもしれませんが、

       発泡ウレタン50mm :グラスウール16K100mm

   価格     2.8        :1

  の差がありますので、100mmを使うと5.6倍にもなってしまいます。
 これでは、なかなか使いづらい。

これらの計算から分かるように、断熱性能は、どちらかと言うと素材よりも、厚さ が、重要です。

  ②法定不燃材料の断熱材です。
以下は、硝子繊維協会が実験をした写真です。



img20070620_2.jpg 実験始め


img20070620_3.jpg 約5分後


  まるまるこの実験が、実物と同じようになるかは、分かりませんが、発泡系が、燃えやすいことは、確かです。

  プスチック系は、燃焼した際、有毒ガスが出やすいのも、難点です。

  ③リサイクルに適した断熱材です。

グラスウールは、建築用ガラスや、回収ビンなどリサイクル原料を85%以上使用して生産されています。


  ④経年変化が少ない断熱材です。

  ⑤白蟻の食害を受けない素材です。

   白蟻を飼って実験している会社の人から聞いた話ですが、白蟻の被害を受けないものは、

      
      ガラス

しかないそうです。白蟻は、発泡系断熱材などを食べるのではなく、目的地の木材に辿り着くため、ただかじって蟻道を作るのだそうです。

  恐るべし白蟻よ

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