防災

耐震診断の問い合わせ相次ぐ

 今日の山形新聞に下記のような記事が載っていました。


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 新潟県中越沖地震後、山形県庁などに耐震診断について問い合わせが相次いでいるようです。問い合わせの内容は、耐震診断を依頼する際の費用や助成制度があるかどうか等です。


 助成制度は
 山形市は、診断費用(六万円)の九割を国と市が負担する事業を本年度からスタート。対象は、2000年(平成12年)5月31日以前建てた木造住宅。

 また天童市・村山市・真室川町・三川町・庄内町でも助成制度があるそうです。


 先日新潟県中越沖地震のニュースを見ていましたが、確か柏崎市だと思いましたが、新潟県中越地震を教訓に耐震補強度工事に一世帯当たり60万の補助金がでる制度があったそうです。しかし、実際はほとんど利用されなかったそうです。

 それは、実際に住宅全体の補強工事の見積もりをとると数百万かかる場合があるので、年金暮らしをしている年配の方は、なかなか工事を依頼できなかったようです

 7月22日の自主防災研修会際の山崎さんの講演の中で、東京都墨田区の取り組みを紹介しました。それは建物の全部の補強ではなく、予算の許す範囲の部分的な耐震補強工事をやっているということです。

 即ち、私たちは、例えば補助金内の60万円で部分的な補強を考えかければならないのかも知れません。確かに、不完全かもしれませんが、やらないよりは良いのではないでしょうか。補強したところの隙間に入って人が助かるかもしれません。

 現実問題として、どこまでできのか検討する必要があるのかも知れません。

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NHK解説委員の防災の話

 今日、酒田市自主防災協議会主催の防災研修会がありました。

 講師は、現在NHK解説委員の山崎 登 氏でした。


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 写真が携帯電話で撮ったものなので、ボケてしまいました。
 彼は、主に地震・台風・水害など自然災害の取材を担当し、兎に角より多くの災害現場を見てきている方でした。


 私なりに聞いたことをまとめてみました。

 ①370人の寝たきり高齢者の安否確認を四時間で終了

  能登半島沖地震 2007年3月25日(日) マグニチュード6.9 
  この地震の際高齢者率47%のある町が、行政ではなく市民同士の協力で安否確認ができたという事です。この町は、お互い高齢者同士なので何かあったら確認し合おうと訓練していたそうです。

  実は、私も自分の町で最もやりたいのは、このことです。

  災害の際、怪我する人や、運悪く亡くなる方もいると思われます。亡くなった方を生き返らせる事は、できないのでこれはどうしようもない。
  ただ、生きているか、死んでいるか分からなくて、瓦礫のかなで、三日も四日も埋もれて分からなかったという状況は、作りたくないなと思っています。町内全員の安否確認を速やかにやりたいと思っています。

  私たちの町の防災会の最大の目的は、

  『行方不明者ゼロをめざして!』

  です。

  現在は、個人情報保護法などという訳の分からない法律を逆手に取って名簿作成ができにくくなっています。私はそんなことより、人命救助を優先する制度を作りたいと思います。その為には、どうしたらよいかを現在検討中です。

住宅の一部分だけでも、耐震化する

  東京都墨田区の取り組み

  高齢者は、住宅全体を耐震化するのは、予算的にも非常に厳しい。
だったら何時もいる部屋だけでも、耐震化しようという試みです。こうすることにより、建物がベシャンと潰れない可能性が非常に高くなります。

  私も、耐震診断を受けたほうが良いと、前にブログに書きましたが、実際のところ一番危険な古い住宅に住んでいる高齢者ほど、建物にお金をかけることが困難なのです。これは、本当に大きな問題です。

  しかし、やれるところからやるという発想はとてもすばしいと思います。
これは、是非やっていきたい事の一つです。

  ③防災対策はやれることからやること

  小さいことでもよいので、思いつたものをやることが大切だそうです。
対策を立てた分だけ効果があるそうです。
  
   例
   風呂の水をトイレ用に残しておく。
   ラジオと懐中電灯を枕元におく。


  ④防災は福祉と同時にやる。

  寝たきりの高齢者などや体の不自由な方は必ず町内にいるわけですから、その方達のことも対応できるようにしなければならない。


  非常に勉強になりました。

  最後にNHKを宜しくという事でした。

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新潟県中越沖地震2

 新潟県沖地震の報道を毎日みていますが、私は、どうしても倒壊した建築物に目がいってしまいます。

 倒壊した建物を載せて不謹慎だと思われるかもしれませんが、しかし私は、こういう建物を見て、私たち建築に携わるものが今後防災について、何を勉強し何をしていかなければならないかを学ばなければならないと思います。

 むしろ、これらの建物が何故倒壊したのか、理解しないで、建築をすることのほうが問題があると思います。

 一番最初の写真は、被災建物応急危険判定士の方が、危険の張り紙をしているところです。

 実は、私も山形県の判定士の登録をしていました。(実は、更新をするのを忘れてしまい現在は、なっていません。再度申し込みをしよう思います)

 自分が、被災現場でこういう仕事をすることも踏まえて、建物を見ていく必要性があると思い、あえて、写真を載せることにしました。




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 この写真では、土壁とセメント瓦が見えます。恐らく戦前に建てられた古い建物であることが予測されます。






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 二棟倒壊し、奥の建物は、比較的新しい外観に見えます。しかしよく見ますと、道路側に土壁らしいものが見えます。多分、構造体をそのままにして、外壁は、既存のものにパッとサイデリアのような外壁を貼り瓦屋根の葺き替えをしたのではないかと予測されます。

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 この建物は、外観からいって多分何かの店舗併用住宅だったと思います。店舗は、通常道路面を全開口にしますので構造的には、非常にバランスの悪い建物が多いのです。屋根には重い瓦もあがっています。


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 これは、地震のたびに問題になるブロック塀です。
 補強するための鉄筋が全然入ってないのが分かります。こうなると、家族だけなく一般の通行人の方々も被害を被る可能性があります。


 震災の木造住宅の倒壊の主な原因は、

  ①壁の量が少ない
  ②強い壁の柱のほぞ抜けが起きる
  ③壁の配置バランスが悪い
  ④土台・柱に腐朽や白蟻被害が見られ構造体が弱くなっている
  ⑤瓦葺き屋根で重量が重い

 以上のような事がかんがえられます。

 1981年の建築基準法改正前(旧耐震基準)の建物は上記の項目に当たるものが多く見られます。

 街を歩いていて、あの家は、大地震がきたら間違いなく倒壊するだろうなと思う建物は結構あります。これは、多分私だけでなく多くの建築士の方々も思っている事だと思います。

 今月6日に耐震診断の講習会を受けてきたばかりですが、出るだけ多くの方が耐震診断を受けて頂きたいと思います。

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新潟県中越沖地震

 7月16日(月)午前10時13分頃新潟県中越地方に又、大地震がありました。
 ここ庄内地方でも、震度3の揺れがあり、非常に緊張しました。
 現地で、被災された方々には心からお見舞い申し上げます。

 新潟に住む協力業者の方から今日電話を頂き、状況を多少お聞きしましたが、何しろ道路があちこちで寸断され、現場は非常に混乱しているということのようです。僅か、三年前にも大きな地震があり、やっと少し落ち着いたところに又、震災にみまわれました。本当に大変な事と思われます。

 隣の県に住む我々にとっても他人事ではないのです。

 今回の地震の原因は、逆断層のずれだそうです。

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この庄内地方にも、六つ(下当・野沢・月光川・通越・観音寺・松山)の大きな活断層があります。事実約100年程前に、
庄内大地震がありました。
  
 又、この地方に地震が起こる可能性は、今後30年の間に最大6%です。これは、非常に高い確率だそうです。

 庄内に住む人は、新潟中越沖地震級の大地震が必ず来ることを覚悟しておかなければなりません。

 特に、酒田市は地盤の軟弱な沖積平野上に位置していますので、その被害の拡大が懸念されます。


 対策としては、自主防災を考えなければなりません。

 実は、私は、去年から地元の町の防災担当をしています。今年の春に町内皆に防災用飲料水と言うことでペットボトルを二本づつ配布しました。

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 当然二本で足りる訳はないのですが、町内全員に防災意識を高めて頂くために、配布しました。当初色々な意見はありましたが、中には、今から40年程まえの新潟地震を体験した人から、『一番困ったのは、飲料水だった』と言う貴重な意見を頂き、概ね賛意を得ました。

 実際の震災のときに頼りになるのは、消防でも、警察でも、役所でもありません。地元の住民が一番頼りになるのです。

 その為には、私たち住民は何を準備しなければならないのでしょうか。

 私たちの町が今考えている防災対策について、いつか書きたいと思います。

 最後に今回の地震で亡くなった方も大勢います。心からご冥福をお祈りいたします。
 

防災訓練

 6/24に地元の防災訓練がありました。年二回やっていますが、何時も参加するメンバーは同じで、実際に災害があったらどうなるのだろうかと不安になります。


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 防災訓練は非常に大切だと思います。
 この庄内には、庄内地震と言う非常に大きな地震が約100年ぐらい前にありました。

庄内地震
  1894年(明治27年) 10月22日 17時35分
  マグニチュード  7.0
  震度       5
  死者       739人
  負傷者      8403人
  全壊家屋     3858戸
  半壊家屋     2397戸
  焼失家屋     2148戸
  破損家屋     7863戸
 というものでした。

 専門家に言わせると、
 今後30年以内に地震が発生する確率は最大6%と想定しています。この数値は、国内では、発生確率の高いものして評価されています。
 即ち、この庄内には、災害は、忘れずにやってくるのです。


 震災というと何といっても、1995年1月17日の阪神淡路大震災を思い出します。あの震災が教訓になって、建築基準法の耐震基準が大きく変わりました。
実は、この耐震基準は、大きな震災が遭った後に、そのつど改正されてきています。

 地震に強い住宅をいかに、提供するか。我々住宅業界に携わっている全ての人に課された大きな問題です。

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