地盤改良

私が考える地盤改良2

 今日の話は、地盤改良というよりは、不同沈下が起こりにくい家づくりについて書きたいと思います。

 ①まずは、基礎です。
 よくチラシで、《弊社は、ベタ基礎だから大丈夫》なんていう謳い文句があります。あれだけは、十分に注意してください。

 何故なら不同沈下が起こりやすいのは、ベタ基礎だからです。

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ベタ基礎は慎重に


 
 確かに、ベタ基礎は、非常に頑丈な基礎です。しかし、ベタ基礎を採用する際は、その下の地盤が、ある程度しっかりしていなければなりません。豆腐のように軟弱な地盤では、むしろ危険です。ベタ基礎は、荷重が重い分傾き始めると、加速度的に、傾きます。ベタ基礎の採用は、慎重にするべきです。

 そして、一番たちが悪いのは、基礎が非常に重いので、傾きを直すのが大変だと言うことです。大変た゜ということは、それだけ、余分なお金もかかるということです。 

 タ○ホームは、ベタ基礎が標準のようです。

 傾きを直すという点では、通常の布基礎のほうが、むしろ対処しやすいのです。

 私は、布基礎のベース部分を少し広げて、地盤との接着面を広げています。後は、配筋の工夫をするようにしています。

 ②バランスの良い間取り

 二階の上がる部分が極端に偏っていないか。一階と二階では、結構な荷重の違いがあります。
 特に田舎に多い二階が上がった和室の二間続きの間取りは、要注意です。どうしても、広縁側の柱一本に荷重が集中します。この柱が沈下するケースが非常に高いのです。
 でるだけ、一箇所に荷重が片寄らないような間取りにすることです。

 この間取りは、耐震性からも問題があるケースが多いです。広縁側が極端に開口が多くて、耐力壁のバランスが悪く、開口部分から倒壊し易いのです。

 ③家全体を軽くすること

 ①でも書いているように、基礎を軽くすること、又、屋根を軽くすることも有効です。場合によっては、外壁を軽くすることも可能です。単純に考えて、建物が重ければそれだけ、地盤に荷重がかかりますので不利な条件になります。

 このように地盤改良も大切ですが、建物そのものを工夫することで、ある程度不同沈下を避けることが出来ます。

 ここ庄内地方のように、軟弱地盤が多い地方は、特に地盤と建物の両方を十分検討する必要があります。

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私が考える地盤改良1

 私が考える地盤改良とは、

 実は、基本的に、余り地盤改良しないことです。

 ちょっと変に思われるかもしれませんが、私がいつも依頼する、新潟の地盤調査会社の人も私と同じ意見です。普通は、地盤改良会社の人ですから、地盤改良を薦めます。しかし、彼も、出来るだけ地中を汚さないほうが、良いと考えています。こんな地盤改良屋さん初めて会いました。

 それじゃどうするんですか。

 切り土と盛り土が混ざる土地や、傾斜地の土地や極端に軟弱地盤など、明らかに地盤改良が必要なところ意外は、基礎の形状や砕石の締め固めなどを工夫することです。


img20071006.jpg               (水を掛けて砕石の締め固めをしているところ)

 もし、それで、家が傾いたらどうするんだ。

 その時は、傾いた部分をジャッキ等を使って上げればいいじゃないですか。
傾きを直す技術があればいいんじゃないんですか。傾きを直しやすいような基礎作りをしほうがいいんじゃないですか。

 その時の費用はどうするんですか。

 それを何とか保証する保険がないものでしょうか。

 少々保険料が高くても、もしくは、全額保証でもなくても、それをカバーする保険はないものでしょうか。実は今のところはないのです。
 
 地盤によって家が傾くことを考えると、地盤の保証がほしい。しかし、安い地盤改良は、自然破壊につながる。自然にやさしい改良の仕方は、保証がつかない。どうしたらいいんだろう。いつももこのジレンマに悩まされます。

 私の場合は、最終的には、お施主様を信頼して、保証が付かない方法を選択してしまうケースが多いのです。

 あーーーー。余り枕を高くして眠れない日々が続きます。

 地盤は、保証を付けることが目的ではなくて、不同沈下を起こさないようにどうするかということだと思います。しかも、自然に優しいもので

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地盤改良は地盤改悪だ?

地盤改良は本当に良いか?

 私は、問いたい

 地盤改良は、本当に地球にやさしいのか?

 
10月4日のブログに地盤改良の方法を紹介しました。木造住宅の場合は、主に三つの方法があります。
 ①表層改良方法
 ②柱状改良方法
 ③鋼管杭工法

 特に、①と②が問題です。
 両方とも、セメントを使用しますので地中にそのまま残ってしまいます。

今家を建てる人は良いかもしれませんが、次の代の人たちは、どうなるのでしょうか。
 次の世代の人が、今ある家を壊して、改築する際は、まったく同じ家にはなりません。地中にある大きなセメントの塊はどうするのでしょうか。
 多分撤去することは、不可能です。その大きな産業廃棄物を地中に埋まっている状態で、改築するしかありません。その際の地盤改良は、どうするのしょうか。

 また、地盤改良した土地を販売する場合は、土地の評価は、どうなるのしょうか。どこかの工場みたいに土を全部入れ替えるのでしょうか。それは、現実的に無理です。
少なくとも、私は、そんな土地は、買いたいとは、思いません。

 私が、地盤改良屋さんにこの問いを投げかけても、誰も応えようとしてくれません。どうしたらよいのでしょうか。これだけ環境問題が取りざたされているのに、どんどんこういう土地が増えているのです。これで、いいのだろうか?



 私は、今のところ、鋼管杭工法を薦めています。しかし、如何せん、価格が高いのです。最近は、中国からの鉄の需要が非常に高いため、価格が益々上がっています。

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鋼管杭工法



 私が鋼管杭を薦めるのは、一番は、素材です。
 鉄そのものは、自然界に存在していますので、仮にそのまま残っても、自然を破壊するものではありません。
 又、ちょっとお金がかかりますが、鋼管杭を引き抜くことも可能です。これは、余り現実的ではないと思いますが・・・

 鋼管杭がどうしても高くて使えない場合は、鋼管の変わりに松杭を使うことがあります。松杭は、比較的安く手に入るので、価格を抑えることができます。

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松杭工法



 松杭は、比較的昔から、地盤を改良する方法として全国各地で行われてきた方法です。原始的といえば、原始的です。
 しかし、最大の欠点が、保証会社の保証対象にならないということです。
何故ならば、改良した地盤を数値で表すことができないのです。即ち施工者側の立場からすると非常に採用しにくい方法です。

 ①~③の方法は、保証対象です。

 私は、お施主様に説明し十分理解して頂いた上で、敢えて、松杭を使用することがあります。これは、まったくお施主様との信頼関係がなければ出来ません。しかし、これが一番難しいことです。私がかってに理解していて頂いていると思い込んでいるのかもしれませんし・・・


 鉄と松は、私がこの世にいなくなってからいずれ腐れてなくなるでしょう。
 
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地盤改良はどうしたらいいの?

そもそも地盤改良が注目されてきたのは、何時ごろからでしょうか。

 平成12年4月1日の契約以降の新築物件について、『住宅の品質確保の促進等に関する法律』のなかで、引渡し後10年間は我々施工者側に瑕疵担保責任が課せられる法律が成立してからだと思います。それまでは、民法上2年だったのですが、住宅という性質上余りにも短いと言うことで、この制度ができました。
 即ち我々施工者側は、10年間は、少なくとも責任を持って、建てた住宅をきちんと見なさいよと言うことです。

 この法律そのものは、大変意味のある法律だと思います。消費者保護の観点から言えば、画期的な法律だと思います。

 住宅をいくらきちんと造っても、地盤が悪ければ、傾きますので、地盤を改良しなければなりませんとと言うことになったのです。

 それでは、地盤改良の仕方には、どのようなものがあるのでしょうか。
 木造住宅では、下の3つぐらいが主に行われているようです。

 ①表層改良工法
 これは、軟弱地盤の表面約1mぐらいをセメント系硬化剤と土を攪拌し、硬い盤を作り、その上に建物を建てようとするものです。

h01_about.jpg

 ②柱状改良工法
 これもやはりセメント系硬化剤と土を混ぜて、地中の支持層と基礎の間にコンクリートの柱を作りその上に建物を建てる方法です。

h02_about.jpg

③鋼管杭工法
 これは、直径約10cmの鋼管を支持層まで打ち込み、その上に基礎を置く方法です。
h03_about.jpg

 どの方法にするかは、地盤調査をやって決定します。

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